― 外注塗装で感じていた“製造業あるある” ―
1. 元々、ティー・エム製作所は板金加工のみの会社でした
ティー・エム製作所は、
精密板金加工を専門とする会社としてスタートしました。
板金加工については社内で完結できる一方で、
塗装工程については、皆様と同じように外注先へ依頼する体制を取っていました。
これは決して珍しいことではなく、
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板金は内製
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塗装は専門会社へ外注
という形は、製造業ではごく一般的な選択だと思います。
2. 外注塗装で感じていた、よくある悩み
外注先にはライン設備もあり、
一定レベルの品質や生産能力は確保されていました。
それでも、実際の現場では次のようなことが起こります。
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板金側の加工意図がうまく伝わらない
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製品ごとの注意点を毎回説明しなければならない
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仕上がりは「塗ってみないと分からない」
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問題が起きた時、原因がどこか分かりづらい
特に量産品や継続生産品では、
小さなズレが積み重なっていく感覚がありました。
これは外注先が悪い、という話ではありません。
「会社が違う」「現場が離れている」ことで生まれる、
構造的な難しさだったと思います。
3. 板金側から見ると「ここが惜しい」と思う瞬間
板金加工では問題なく仕上がっているのに、
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塗装後に見え方が変わる
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想定していなかった箇所が目立つ
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手直しや再調整が必要になる
こうしたケースを経験するたびに、
「板金と塗装を、もっと近い距離で考えられたら…」
と感じていました。
板金も塗装も、
どちらか一方が頑張れば解決する問題ではありません。
製品として完成するのは、両方が噛み合った時です。
4. 一貫体制になって変わった「考え方」
現在、ティー・エム製作所では
板金から塗装までを社内で一貫対応しています。
この体制になって一番変わったのは、
設備よりも「考え方」でした。
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板金段階で、塗装後の見え方を意識する
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塗装側が、板金加工のクセを理解している
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問題があれば、その場で工場同士が話せる
「誰かに任せる」ではなく、
自分たちの工程として責任を持つ意識が自然と生まれました。
5. 一貫体制は“特別な会社”の話ではありません
よく、
「一貫体制って、かなり規模の大きい会社じゃないと難しいんじゃない?」
と言われることがあります。
ですが、ティー・エム製作所自身も、
最初から一貫体制だったわけではありません。
外注を使っていたからこそ分かること、
外注で困った経験があるからこそ見える改善点があります。
だからこそ今、
板金と塗装の両方をやっている立場として、
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外注時代の悩み
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一貫体制の現実的なメリット
を、現場目線でお伝えできると考えています。
6. 「板金+塗装」を前提に相談できる相手として
すべてを一社でやることが正解、という話ではありません。
ただ、
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板金と塗装をまとめて相談したい
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工程全体を見て話ができる相手がほしい
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量産を止めない体制を考えたい
こういった場合には、
一貫体制の会社が持つ視点が役立つことがあります。
ティー・エム製作所は、
板金だけだった時代も、外注で悩んだ時代も経験しています。
その上で、
今の体制があります。
7. 現場で感じている「一貫体制のリアル」
板金と塗装を社内で完結させるようになってから、
日々の現場では、以前にはなかった会話が自然と増えました。
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「この形、次のロットはこうした方がいいかも」
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「ここ、塗装後に目立ちやすいから先に手当てしよう」
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「この製品、量産ではこの順番が安定しそう」
特別な打ち合わせをしなくても、
同じ会社・同じ製造チームとしての感覚で
工程全体を見て話ができるようになったのは、大きな変化です。
こうした日常の積み重ねが、
品質の安定や手戻りの少なさ、
結果としての納期やコストにもつながっています。
一貫体制の価値は、
派手な設備や数字だけでなく、
現場の「当たり前」が変わることにあるのかもしれません。
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