― ライン塗装現場で「起きることがある」ポイント ―
1. 塗装トラブルは「頻繁に起きるもの」ではありません
「塗装トラブル」と聞くと、常に不良が発生しているようなネガティブな印象を持たれるかもしれません。
しかし実際には、量産ラインで安定して流れている製品がほとんどです。
それでも、熟練の職人が手作業で行う焼付塗装の現場では、気象条件や形状によって「起きることがある」トラブルが存在します。
今回は、あえてその「現場のリアルなポイント」を公開します。
2. 起きることがあるトラブル①:微細な「ゴミ・ブツ」の付着
工業塗装の現場で最も神経を使うのが、空気中の微細なゴミやブツの付着です。
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空気中の目に見えない塵
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製品表面に残留していた微粒子
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作業中のわずかな空気の揺れ
静電気を帯びやすい塗装工程において、これらを完全にゼロにすることは物理的に極めて困難です。
だからこそ弊社では、**「どの工程で入りやすいか」「どのタイミングで防ぐべきか」**を徹底的に洗い出し、発生頻度を最小限に抑える運用を積み重ねています。
3. 起きることがあるトラブル②:角部・エッジまわりの仕上がり
もう一つ、技術が問われるのが「角部(コーナー)」や「エッジ(端面)」の仕上がりです。
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塗料が乗りすぎて「溜まり」ができる
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逆に塗料が乗らずに下地が透ける
ここは塗装技術だけでなく、前工程である「板金加工」の精度やバリ取りの状態に大きく左右されます。
板金と塗装の両方を自社で手がける弊社だからこそ、エッジの立ち具合を考慮した最適な塗装条件を導き出すことができます。
4. ライン塗装でも「人の判断」が品質の決め手
ティー・エム製作所の塗装ラインはコンベア搬送式ですが、**スプレーガンを握るのはすべて「人」**です。
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複雑な形状のどこを重点的に吹くか
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膜厚を一定に保つためにどう動かすか
ラインがあるからといって自動的に決まるわけではありません。
現場の職人が一台一台の仕上がりを瞬時に判断し、調整し続ける。
この「人の目と手」こそが、機械には出せない高品質を支えています。
5. トラブルをゼロにするより「原因を積み重ねる」姿勢
私たちは、トラブルを「単なる失敗」で終わらせません。
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起きた原因を科学的に把握する
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現場の知恵を次回の工程に活かす
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安定した量産体制を再構築する
この地道な積み重ねこそが、最終的にお客様にお届けする製品の「安定した品質」をつくると信じています。
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それではまた次回!!